「エンジンオイルってナニがイイの?」困っていませんか?

先に結論 グループ4のPAOグループ5のエステルを使った「本当の合成油」をお勧めします!

最近は良質なオイルを探している方からご質問を頂く事が多く成りましたので、気合を入れてオイルについてお話しいたします。

なおバイクや車等を前提として書いているので、分かりやすくする為多少説明をはしょったり、学術的な説明よりも慣例に基づいた言葉を使用する場合があるので、より高度な知識を必要とする方は専門書等をご覧頂く事をおすすめいたします。なお僕に浅学故の間違いや、より良いオススメが有りましたら、お知恵の拝借願います。

 

1)潤滑の3形態 ←超重要!

この3個は超重要ですから、必ず覚えましょう!!! 機械がどんな潤滑環境か分からないと、どんな潤滑油を使用すれば良いか判断出来ないからです。例えるなら、エンジンの「メカニカル・オクタン」が分からないのに「ハイオクが最強なんでしょう?」とか、逆に「安いからレギュラーでOKっしょw」みたいな事を言っちゃう様なもんです。手段と目的を逆にしてはいけません。

流体潤滑(超理想的な環境)
歯車など二つのパーツ間に十分厚い油膜があり、何時いかなる時もパーツの直接接触は一切無い。
完全にオイルなど流体が潤滑している理想的な潤滑環境で、いかに完璧なこの流体潤滑環境を維持するかが目標。
「理論上」この環境はパーツの損耗が発生しないので、流体潤滑を維持し続ける事が出来れば、基本的に硫黄系やモリブデン系等の極圧剤は使用しなくてもOKですが、、、、、、実際はそんなに甘くない。

境界潤滑(実際はコレが多い)
単位面積当たりの圧力が高かったりオイルの劣化により油膜が保持出来ないなど、何らかの理由によりパーツ表面のミクロな凹凸がたまに接触するような環境。潤滑がこの環境になるとパーツの損耗が進むため、基油の性能だけでは既に摩耗を防げず、有機モリブデンなどの極圧剤が保険として必要に成ります。
なお「エンジンの当たりを出す」と言うのは、ならし走行等でパーツ表面のミクロな凸凹を取り去って平滑化し、境界潤滑環境を流体潤滑と言う理想的な潤滑環境に作り変える事。と言い変える事が出来ます。

極圧潤滑(過酷な環境)
泥沼を走る建設機械のキャタピラーや切削機械の刃先など、どう頑張ってもオイルだけでは油膜を保持出来無い、相互パーツ同士が完全接触する最悪の環境。極圧環境では液体の有機モリブデンでは保険不足なので、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛など個体粉末系を使うことが多い。
なお、ここまで酷い環境に成る一歩手前、極圧と境界潤滑の中間位からが二硫化モリブデンなど硫黄系「固形」潤滑剤が威力を発揮して来ます。

 

2)エンジンオイルの成分

エンジンオイルはベースとなる「基油」と、追加性能を期待して「添加剤」をプラスして、エンジンオイルとして販売されています。摩耗防止剤や洗浄剤PH調整剤などは一つの成分で二つ以上の仕事をしているものもあります。

基油(ベースオイル)←これが一番重要で影響大
エンジンオイルの基本と成るオイル成分。次項に述べる鉱物油や合成油などがあります。

極圧剤(きょくあつざい)
フリクションモディファイヤー

基油だけではパーツの相互接触を防げない境界潤滑環境や極圧潤滑環境で損耗を防ぐため、有機モリブデンや二硫化モリブデンを添加する。またZnDTPなど燐、亜鉛系極圧剤も添加され硫黄系添加剤とは相互関係にあります。

有機モリブデン(液体)で代表的なのは、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、硫化オキシモリブデン・ジアルキルジチオリン酸塩で、普段は液体ですが金属が接触した瞬間の高温で分解し、二硫化モリブデンに成ります。4stオイルや2stオイルを長期間静置すると、表面に出来る緑色の液体はこの有機モリブデンで、あの某オイルが緑色の原因なのも有機モリブデンです。

気を付ける点はこの極圧剤自体は潤滑性が低く、しっかりと流体潤滑が出来ている環境に二硫化モリブデンの様な固体粉末極圧剤を入れると、かえって潤滑性能が悪く成りパーツの損耗が進む事。

そこで液体の有機モリブデンが一般的に成って来たのだが、やはり基油の様な潤滑性が有る訳でも無いので、余程過酷な潤滑環境で無い限りは良質な基油使用オイルの性能頼みで、流体潤滑環境を実現した方が望ましいと思う。つまり低品質なベースオイルに潤滑剤を大量に入れるのは、本末転倒だと言うこと。

またこの極圧剤使用を大いに謳った商品は、たまに「基油がショボイ」オイルが有る事を忘れてはいけない。
ただし過酷な境界・極圧潤滑環境で使用するミッションやデフ、キャタピラーに、二流化モリブデン系極圧剤が使用されるのは仕方が無い事であり、基油の品質が悪い訳ではない。

洗浄剤
エンジン内にたまった汚れ、スラッジやワニス成分などを分解しオイル中に分散含有させることで、エンジンの再汚損を防ぐ。

良質なエンジンオイルほど自分自身が汚れていくので、汚れが酷いエンジンに良質なオイルを入れると、1~2回目の寿命が極端に短い事が有る。しかしそれは言うまでも無くオイルの品質が低いのでは無く、しっかりと洗浄力が有る高品質オイルが自己犠牲したからです。

なお「本当に本物のレーシングオイル」は潤滑性能が最重要視されるので、洗浄剤が超少ないか、もしくは添加されていない物が有るようです。純レーシングオイルが再使用禁止と謳われるのは、これが原因の一つだったりもします。

PH調整剤
基本的にエンジンから発生する汚れは酸性で有る事が多く金属を腐食します。それを中和する為にエンジンオイルには中和剤としてPH調整剤が添加されています。

消泡剤
撹拌や圧力変動によるキャビテーションや、オイル中の不純物が蒸発する事で発生する泡は、油圧の不安定化や運べる熱量が低下するので消泡剤を添加する。

 

3)基油によるグループ

基本的にグループ番号3番までは、番号が大きいほど高性能な基油(ベースオイル)と考えて頂いても、間違いでは無いかな?と思います。もちろん中にはクラスが高くても低品質な物が有るのは世の常でございます。そこら辺は一般的な評価も参考にして下さい。

最近はグループ3に、3+、3++などより高性能化したもの追加され、シェルの天然ガスから作った「GTL=ガス・トゥ・リキッド」もこのグループ3+~に入ります。でも、はやり試した結果、耐久性はGTLでは無くPAOに軍配が上がりました。

耐久性重視ならPAOか、より高性能な「メタロセン触媒」にて製造されたmPAO(メタロセン・パオ)が最強です。正直レースで使用しても素晴らしい耐久性。

アルキルナフタレンは低粘度ゆえ、ベースオイルと言うよりは添加剤的な使用方法が多いようです。(-40℃の世界ではバナナで~のオイルにも入っている)

一点突破型の特化したレースオイルなら、エステルベースなど加水分解が原因で短寿命だけど滑りが良いです。やはり用途により使い分けるのが良い気がします。

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4)僕が思う部分合成油の問題点

1)まず上表2021年verで説明しましたが、「半合成油」と「部分合成油」の違いが分かりづらい事。

2)鉱物油にグループ2や3の半合成油を混ぜて「部分合成油」と言って販売するところですかね?もし部分合成油として販売するなら、ボク個人の気持ちとしては鉱物油に、本物合成油のグループ4か5を混ぜてほしいです。じゃぁ、鉱物油と3+や3++ブレンドは?と成るとグレーゾーンで難しいですが、、、、、、。

3)部分合成油を比較した場合、例えばAオイル(ペンシルバニア直鎖系鉱物油+PAO+エステル)、Bオイル(中東環状系鉱物油+VHVI)だと、同じ部分合成油でも全然性能が違う訳です。ここいら辺がクラス分けだけでは見えづらい部分ですかね。

 

5)おすすめオイルは何か?

結論から言ってモトフリークがおすすめするオイルはなんでしょう?

まず、公道やロングライフを求める方にオススメするのはアメリカはAMS(アムズ)社のオイルや、ロイヤルパープルなどPAOベースのオイルです。

シェルやカストロール等と比べると、全然有名では無い余り知られていないオイル。しかし、その地味な宣伝活動に反して製品全般の真面目さとマニアックさは最強。まさに「エクストリーム」究極の製品。と言う言葉に相応しいオイルです。

 

6)AMSとロイヤルパープルとシェルの「ミッションオイルとしての比較」

非常にボク個人の感覚に影響されたインプレと前提してご了承頂きたいのですが、、、

基本的にどれも一線を超えた良質なオイルだと思いますが、強いて違いを上げるなら、AMSに比べロイパーとシェルは少し「シャバい」です。

コレが具体的にどの様な違いが出るかと言うと、バイクのエンジンの場合、ミッションやクラッチもエンジンオイルで潤滑されている事が多いので、「ミッションオイルとしてどれくらいタフか?」という所で、意外と違いを感じます。

ひょっとすると、ピストンとシリンダーの潤滑より、ミッションの潤滑のほうが、劣化が分かりやすいのかな?と言う気もしてきています。

強く感じた順で言うと、AMS>ロイパー≒シェルと言う感じでしょうか、、、。

もし、ここ一発の軽い吹け上がりより耐久性を求めるなら、仮にバイクが0W~10W-40が純正の場合、同じ成分の混ぜても良いオイルと前提すれば、10W-40に1/4くらい20W-50とかを混ぜて、イメージとして12.5W-45とかにすると、妙にトルクやシフトの滑らかさが長持ちするな、、、と思うこともあります。

この手法は、900忍者やZZR、ZRXシリーズは、お客様の評価が高かったです。あとミッションは別ですがBMWのRエンジン(5W-40)も高評価でした。ただし言うまでもなく、メーカーが推奨しないこの方法はお客様の自己責任で施工して下さい。

 

なんと言ってもグループ4と5の本当の合成油をベースにしています!

吹け上がりの良さや伸びの良さ、劣化の穏やかさから来るロングドレイン性能や耐摩耗性、耐熱性などどれをとっても私が使用したオイルの中で最高の性能を誇ります。

なにしろバイク乗りに限らずその高性能から車用オイルまで売れ始めており、どちらの方からも絶賛を頂いております。
私的にはオイルに限らずグリースなどケミカルからクーラントに至るまで最高品質との結論に至りました。まだ使った事が無い方は是非おすすめしたいオイルです。

その他おすすめはエコマーベラスオイル、ドイツはフックス社のシルコリンや、ケンドール、フランスのケンノルなどが真面目で良いと思います。一部のモービルは最高に良いでしょう。でも製品の全てではありません。

最近のモチュール300V(※2021年追記・ダブルエステルの頃までかな?)、カストロール、レッドラインもアムズとかを使っちゃうと、、、。メーカー純正は、う~~~ん、、、安心安全ですけど性能に対してコストパフォーマンスが悪いように思います。

なにかご質問等御座いましたらモトフリークまでお問い合わせ下さい。

 

リンク

●「グリース編」モトフリークが送るケミカルの極意その1
https://motofreak.jp/?p=2238

●AMS OIL(アムズオイル)
究極のケミカルMP・HMPメタルプロテクター
https://motofreak.jp/?p=2455

●バイク豆知識一覧
https://motofreak.jp/?p=2524

 

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