最近「明らかに効果が有ったカスタム」の話。
モトフリークブログを御覧の皆様、ここ最近は6月とは思えない酷暑でございますが、お元気にされているでしょうか?現在モトフリはスタッフ不足と、予期しない晴天の連続でご予約を多く承りまして、多忙な毎日を過ごしております。まさに社長自らのセルフブラック企業。
さて、本題です。どんなカスタムをしたのか?
「オイル交換と同時にオイルフィルターを長くして表面積を稼ぎ、圧力損失を減らせたカモ?」です。
テスト車両は通勤快速号「ZX10RR」2018年型
↑写真撮って無いから、ぜんぜん関係ない以前の写真です。
カスタムするに至った背景
1)大好きな「AMS=米国アムズ・オイル」が入手困難になり、いろいろなエンジンオイルを試していた。
2)レースするわけでも無いから、最高馬力や空ぶかしのレスポンスなんざ二の次。耐久性や夏の高温に向けた油膜の厚さ重視。
3)あとは坂を登るトルク感が欲しい。
4)あわよくばエンジン周りの温度も下がれば嬉しい。
5)「アイドリングなど極低回転域」のシフトの入りがもう少し良くなると良いな~。
6)「アイドリングなど極低回転域」の不整脈的な不安定さが減ると良いな~。
オイルやフィルターを変える前に実施するべきメンテナンス
最低でも以下の4点を実施しないと、エンジンオイルの比較は精度が低くアンフェアだと思います。
1)チェーン調整と清掃潤滑。
2)前後スプロケの確認。
3)クラッチワイヤーの清掃潤滑
4)クラッチのフリクションプレートとスチールプレートがちゃんとしているかチェック。
5)コレは事前では無く事後ですけど、3回くらいは新油で乗って熱と圧力を加え、エンジン内の被膜を新油環境に変えてあげること。だいたい最初の数回は固く感じる事が多い。
オイル変更の内容
1)これから夏だし銘柄や粘度を、シェル4Tウルトラ10W-40から他社オイルに変えたい。しかし経験上15W-50は硬すぎ。
2)正確を期すにはメーカー公表の「40℃と100℃の動粘度指数」をチェックしましょう。
3)可能ならベースオイルはGroup4のPAO。落としてもGroup3のVHVI系。エステル系は加水分解による寿命と長期使用時の残渣がネックかなぁ~。
んで、相性の良かったオイルは、、、、、、
エルフMOTO4TECH10W-50(VHVIベース)でした。サラサラ系のシェルは確かにエンジンが軽く感じるんすけど、いまいち耐久性とかライフ性能に根性と余力が少なく感じるのよね。
ちなみに10W-60のMOTO4 RACEはPAOベースだけど普段使いには硬過ぎる。でも空冷系エンジンで夏でも酷使する方には凄くオススメ出来るオイルです。メチャクチャ耐久性が有る。
まだ試していないから個人の勝手な予想ですけど、夏のビックシングルのオフ車やモタードには凄く相性が良さそうな予感がしてますよ、この10W-60RACEは。アクセル一捻りで「ドドドッ」とフロント浮かしながら坂を登りそうなトルク感です。しかも熱ダレしにくい。凄いですよコレ。もし僕が夏の熱くてエンジンがシンドい時期にエンデューロしてて、しかもKX450とかYZ450に乗ってたら、MOTO4RACEを選ぶかもしれないカモ。
レース使用やレスポンス重視、馬力重視で、かつ短寿命で良いなら、、、、、、
MOTO GPで使用されている純レーシングオイルの「エルフHTX3830 0W-30」「エルフHTX840 0W-40」や、「モチュール300V2376H(Hはホンダの意味なのかなぁ?)0W-30」とかを選べば良いのよね。やはり高回転高馬力、餅は餅屋ですよ。でも多分短寿命だろうから夏のストリートでの耐久性的にはオススメ出来ませんけど。
んで、エルフのMOTO4TECH 10W-50に変えてどうなったか?
新油に変えてから1~2日の時点では、、、
良い点 トルクフル
悪い点 アイドリングなど低回転時の不整脈が増えた
シフトの入りもさして良くならなかった
「おいおい全然良くねぇじゃんよ!」とか思うでしょ? それが違うんですよ皆さん。できれば3日分くらいはシッカリ回して、新油に熱を入れて欲しい理由が有るんです。
銘柄変えた時に新油が固く感じる原因は「まだ新油の被膜が形成されてない」と思う事が有るんですよ。被膜の形成はまさに化学反応だから「温度・圧力・表面積・時間」の4項目は強く影響するファクターだと思うのです。
話がズレますが、この現象はブレーキパッドとブレーキディスクに対する反応も似たものを感じます。特にサーキットや走り屋系で「高温時にディスクに被膜が出来る系パッド」を使用している方は、パッド銘柄変更時にディスク表面を研磨パッドで軽く磨いて、旧パッドの被膜を落としてから新パッドに交換してみるのも良いでしょう。
オイルに話を戻します
新エルフオイルの3日目 ややシフトの入も良くなり、エンジンの回転も滑らかになり、不整脈も少し減りました。しかし「もう一歩行けるハズ!」と言う思いが有り、いろいろ考えた結果「10W-40→10W-50」の粘度アップによる圧損が低回転域では顕著に影響するのでは?と思うに至りました。まぁSSの高回転型エンジンのアイドル近辺極低域はキレイに燃えづらいと思うし、そりゃ硬いオイル入れりゃ不整脈も増えるよね。みたいな、、、、、、。
本当に圧力損失が問題なのか?簡単な対策方法は?
「高粘度オイルによる圧損や流体抵抗を減らすにはどうしたら良いだろう?」と考えた結果、「簡単かつ安価に比較・改善出来る部分はオイルフィルターなのではないか?」と言う仮定。
そこで調べましたよ「モノタロウ」
有りました有りました長いフィルターが!20mmも長い。これより長いのは見つけられませんでした。まぁ本当は同じメーカーの同じ内部構造・材質のフィルターで高さだけ変われば、より正確な比較が出来るんですけどね。
旧フィルター 外径65mm×高さ65mm×ネジ20mm×ピッチ1.5mm。
新フィルター モノタロウ注文コード2710762
品番HO-12-A
外径65mm×高さ85mm×ネジ20mm×ピッチ1.5mm。
変えたら一発で激変!
交換時に流れたオイルがピッタリ200ccだったんで、新油を足してテストラン。一発で変化が分かりました。
・アイドル付近の不整脈が減ってシルキー
・アイドルからのアクセル開け始めで、すぐにバイクが前に出る感覚が出た
・シフトの入りが良くなった
もうね、勝った気がしたもん。「オレ優勝!」みたいな。
「税込427円のフィルター」でここまで分かりやすい変化が出るとは。やはり高粘度の保護性能は嬉しいけど、それなりの圧損の対処法も考えないとイケないのね。みたいな。まぁ有識者に「圧損対策なんて当たり前やん」とか言われればそれまでなんすけどね。そこまでエンジン詳しくないし。
引き続き経過観察は必要かな?
・言うまでもなく濾紙丸出しタイプは事実上サイズ変更出来ない。
・旧10W-40から他社の新10W-40に同粘度で変えるのなら、今回よりは変化感が少ないはず。
・それでもでも圧損は確実に減るはず。
・フィルターが高回転時の高圧で問題が出ないか否か?でも高品質なら問題ないハズ。
・長くなった分、エンジン前部とエキパイに十分隙間があることが重要。ZX12Rがキッカケでカワサキはショートフィルターの採用に至った記憶が有る。
・新油の一回目は旧油との被膜入替え形成のため添加剤が大量消費される可能性を考え、出来れば2回同じ新オイルを使用したほうが、正確なインプレが出来るのではないか?と言う予想。
まぁこう言うセコいカスタムを楽しんでいるので、気になった方は自己責任でチャレンジしてみては如何でしょうか?
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