長らくお待たせしましたが、やっと「バイクサスセッティング その4」をお伝えしたいと思います。

読みづらいかもですがまず文章だけで勘弁して下さい。また時間が有る時に更新します。

バイクサスペンションセッティング その5 アップしました!

サグ調整など、まずは最初に以下を熟読して下さい
サスセッティングのやりがちな大失敗
 https://motofreak.jp/?p=2948

サスセッティングの方法 その1
 https://motofreak.jp/?p=4040
サスセッティングの方法 その2
 https://motofreak.jp/?p=4093
サスセッティングの方法 その3
 https://motofreak.jp/?p=4171
サスセッティングの方法 その5
  https://motofreak.jp/?p=4712
バイク豆知識・レビュー一覧 
  https://motofreak.jp/?cat=4

1)サスセッティング前の確認

サスセッティングをする前にこれを確認しましょう。出来てないと全てが台無し!

タイヤが8部山くらいは残っていること
摩耗したタイヤにセッティング合わせちゃうと、新品にした時かえっておかしな事になりますよ! もちろん空気圧の調整も忘れずに。

サスペンションやバイク自身が健全健康であること
ハッキリ言って2年もすると窒素が抜けたり、オイルが劣化します。定期的なメンテナンスは信頼出来るショップさんで済ませておきたい所です。窒素入ってないと気体バネ特性やキャビテーション問題が出ますから要注意です。

1G‘(ワンジーダッシュ)のサグ調整を済ませている事
その人、そのバイクなりのサグ出しが出来てないと全くサス調整の意味が無い

全てのダンパーを最弱にする
前後サスペンションの伸び側(リバウンド)圧側(縮み側コンプ)を最弱にして、なるべく不確定要素を減らす

 

2)走るのに適した場所

出来ればサーキットが最適ですが、それが無理なら走りなれた峠で「このコーナーからこのコーナーまで」と言う感じで走るのもアリ。

なるべく歩行者や渋滞など不確定要素が少なく安全に集中して走れる環境がよりよいセッティングを可能にします。いちいちストップアンドゴーではセッティングは出し辛いです。

 

3)完璧なサスセッティングは存在しない 

ある日のメカとライダーの会話「今回の勝負所は高速コーナーだからバイクも高速コーナーに合わせた、シケインや小さいコーナーはバンクが重いけどライダーが頑張ってね!」みたいに、バイクが頑張る所とライダーが頑張る所が分かれたりします。

全てのシチュエーションやコーナリングのR、速度などに完璧にこなせるセッティングは存在しません。気温、走り方、コースレイアウト、エンジン特性などマシンの調子によって正解は変わるので、サスセッティングは重要かつ奥が深いのです。

特にオフ車で舗装路を走る場合はバネが柔らかすぎたり、リンクのレバー比を変えないと根本的な解決は出来ません。単純にローダウンキットを入れてフロントの突き出しを増やしただけでは解決しません。まぁそれでもサスセッティングで良くなるあたりは、サスセッティングの面白い所なんですけどね。

 

4)プリロードや油面、ダンパーの機能

プリロード
圧伸ダンパーより重要でまず最初にコイツを調整して1G‘のサグ調整をして下さい。それをしないと全てのダンパー調整が無駄になります。インナーパイプがアウターパイプからどれくらい突き出すかを決める機能。つまり何処を中心にしてサスが上下するのか決める機能。良くある間違いで「プリを締めて固くする」と言うのがありますが、プリを調整してもバネそのものが固くなるわけではないので、ダンパーやプリを調整しても沈み過ぎる場合などは、バネを固いものに交換したり油面を上げるしかないです。プリを締めすぎてインナーが出過ぎると縮む余地はたくさんありますが、伸びしろはほとんど無いので凹んだ路面が有ると足が伸びず着地できないのでコケやすかったり突き上げを強く感じます。逆に緩め過ぎるとしょっちゅうサスが縮んているので凸っぱりで底付きして最悪足回りを壊したりリズムが狂いマシンが暴れてます。

リア伸びダンパー(リバウンド)
多分一番大切だと思うダンパーで最初にイジるのもコレ。なぜならサスセッティングは走る曲がる止まるその時々のロール軸を調整する事であり、ダンパーの中ではそれに一番影響すると思うからです。リアの伸び速度を調整するのがメインです。コイツが固すぎると高速コーナーなど時間が長いコーナーのフワフワ感が減りますが、タイトコーナーや街乗りのバンクが重くなります。柔らかすぎると逆でタイトコーナーはキビキビとバイクがバンクしますが、高速コーナーではフワフワしやすくなります。またフロントブレーキを掛ける時リアが素早く伸びすぎると、フロントが沈み込む前にリアが伸びて車高が高くなり不安定になるのでそれを防いだりします。「フワフワしない程度に緩めて、重くならない程度に締める」と覚えましょう。

一部の例外を除き伸び側ダンパーを締めると圧側も固くなりますので、まずは前後とも伸び側から調整を始めて、圧側は味付け程度に固くした方が予後の成績が良く成り安いです。

フロント伸側ダンパー(リバウンド)
フロントサスが伸びる速度を調整するダンパー。アクセルオンでフロントの伸びが早すぎると、リアを押しつけてトラクションする前にフロントが浮いてウイリーしやすくなったり、フロントサスのキャスター角がアメリカンみたいに寝過ぎて旋回力が落ちたりします。逆に固過ぎて伸びずらいと常に前が低めになりがちで、ブレーキング時に不安定になったりキャスターが立ち過ぎてオーバーステアになったりします。伸びないサスはいざという時縮む余地も減ってしまいます。一部の例外を除き伸び側ダンパーを締めると圧側も固くなりますので、まずは前後とも伸び側から調整を始めて、圧側は味付け程度に固くした方が予後の成績が良く成り安いです。

リア圧側(コンプレッション)ダンパー、もしくは低速圧側ダンパー
サスが沈み込む速度を早くしたり遅くしたりする。おおざっぱで申し訳ないですが秒速30~50センチくらいのサスの動きを制御するのが得意です。気をつけないといけないのは、オフ車など不整地を走るバイクはサスの動きが秒速1メートルを越える事が多く、いわゆる「高速ダンパー」の性格を持っている為、これを強く締めこんでも、舗装路のゆっくりとしたブレーキングの動きを制御するのは上手く行かない事が多いです。アクセルオンでリアの沈みが早すぎて出るアンダーステア症状を抑えるのに使います。これが固過ぎると縮みづらいので、つねにリアが高くなり過ぎオーバーステアやフロントブレーキング時の不安定を招いたりします。

リア高速 圧側(コンプレッション)ダンパー
よくある誤解で「走行速度が高速の時ダンパー」と思っている方がいますが間違いです。サスの動きが秒速30~50cmくらいの時では無く、オフロードのジャンプの着地やフープスの激しい上下動など秒速1メートルくらい早く動く時の制御に使います。オンロードバイクですと急速な左右の切り返し時にでる不安定感や、トラクション向上などに効果を発揮します。

フロント圧側(コンプレッション)ダンパー
フロントが縮んで低くなる速度を司るダンパー。例えばフロントブレーキング時に沈みこみが早すぎるのを防いだりします。あまり固くし過ぎると常に前が高く成り気味で不安定になりやすいので、あくまでもノーズダイブ防止など味付け程度で済ませた方がサスが良く動きます。

 

5)具体的な症状と解決のしかた

減速でオーバーステア(曲がり過ぎ)やフロント荷重溜まって不安定
「フロント荷重過ぎ」フロントが下がり過ぎ、もしくはリアが高過ぎ
1)左右の切り返しが重くならない程度にリアの伸び側を固くする
2)それでも足らない場合は味付け程度にフロントの圧側を固くする
3)もてぎサーキットなど突っ込みが多くボトムしやすい場合は、油面を上げて空気バネ特性を利用してボトムを防止する。そうすると普通のコーナーは綺麗に前が沈むのに、突っ込みでボトムし辛くなる。圧側ダンパーだけでボトムを防止しようとすると、普通のコーナーで前が高過ぎてアンダーが出てしまう。
4)フロントタイヤの空気圧不足や編摩耗も影響しやすい

減速でアンダーステア(曲がらない)
「フロント荷重少な過ぎ」フロントが高過ぎ、もしくはリアが低過ぎ、もしくは両方
1)減速で前のめりに成り過ぎない程度にフロントの圧を弱くする
2)それでも足らない場合はコーナリングがフワフワしない程度に、リアの伸び側減衰を弱くしてリアが上がりやすいようにする。
3)フロントタイヤの空気圧高過ぎもチェックする事

加速でコーナーを脱出する時にアンダーステア(大回り)する
または上りのコーナーが大回りして曲がりづらい
「リア荷重過ぎ」前が高過ぎか後ろが低過ぎ、もしくは両方
1)リアの圧側減衰を強くしてアクセルオンで沈み過ぎないようにする。フロントキャスター寝過ぎ防止
2)それでも大周りするようならフロントサスが瞬時に延びて前が高く成らないように、フロントの伸び側を強くしてみる。
もしこれでアクセルを開けた時に、固くて沈みにくく感じていたリアが沈む感触が出てくると正解。リアにしっかりトラクションが掛かり、バンクしながらウィリーするみたいにフロントがインに入ってくるはず。
3)筑波の1コーナーみたいに上りの所はナニも考えずに走るとアンダー出るかも。
4)リアのプリロードを締めてリアを上げる
5)リアタイヤの空気圧高過ぎや摩耗もチェック

下りのコーナーが荷重溜まり過ぎて曲がりずらい
「フロント荷重過ぎ」リアが伸び過ぎるかフロントが縮み過ぎる、もしくは両方
1)左右バンクが重くならない程度にリアの伸び側減衰を強くしてリア伸びすぎを防止
2)それでもダメなら平地のコーナーでアンダーが出無い程度にフロントの圧側減衰を強くして沈み過ぎを防止。
3)フロントタイヤの空気圧低過ぎや摩耗チェック。

中速・高速コーナーなどコーナリング時間が長いコーナーでフワフワと不安定
リアの伸び側減衰が弱過ぎ
1)街乗りやタイトコーナーなどでバンキングが重くなり過ぎない程度にリアの伸びを柔らかくしつつ、時間の長いコーナーでフワフワしない程度にリアの伸びを固くして伸び辛くする。
2)それで解決しない場合は前後共バネが柔らかかったり、リンク比がオフロードよりだったりと全体の見直しが必要な場合が多い

 

追記や写真はまた今度! 文字数多すぎで大変!!!

ご質問等ございましたら店長 浪崎(なみざき)までご一報ください。

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