サスペンションセッティングの方法もその3になりました。
やはり順を追って書いて行くと長く成るものですね。

その1では「サグ(プリロード)の調整」
その2では「セッティングの考え方と作業前の準備」

を説明しましたので今回は

●現在のサスペンションの状態の把握の仕方
●どのよな沈み方をすればよいかと言うこれからの目標

を説明します。それを把握出来てやっと具体的なダンパー調整が出来るので
まだサグ調整などが分からない方は必ず「その1」「その2」を読んで理解して下さい。いきなりダンパーのネジを調整しても変化こそ有れ狙ったサスに成る可能性は低いので結局遠回りです。

サグ調整など、まずは最初に以下を熟読して下さい
サスセッティングのやりがちな大失敗
 https://motofreak.jp/?p=2948

サスセッティングの方法 その1
 https://motofreak.jp/?p=4040
サスセッティングの方法 その2
 https://motofreak.jp/?p=4093
サスセッティングの方法 その3
 https://motofreak.jp/?p=4171
サスセッティングの方法 その4
https://motofreak.jp/?p=4489
サスセッティングの方法 その5
https://motofreak.jp/?p=4712
バイク豆知識・レビュー一覧 
https://motofreak.jp/?cat=4

バイクの状態把握とこれから目指すサスの沈み方

サスセッティングをするにあたり走行時のシチュエーションによりどんな沈み方を目指すのか?と、現在のバイクの現状を把握出来ないと、減衰(ダンパー)調整の方法が分からないので順を追って説明します。
まず「サスペンションセッティングの方法 その2」に載せた図を思い出して下さい。
バイクサスペンションセッティング

超シンプルに表現すると上図のように「ストレートエンドのフルブレーキング時」「コーナー進入からクリップに向かう領域」「クリップポイントのパーシャル域」「コーナー後半から加速域」の大きく分けて4つのステージが有ります。

それでは調整した前後サスペンションが、どの様に沈めば良いかと言う方向性を説明します。

「ストレートエンドのフルブレーキング域」

フロントブレーキを強く掛ける為に、フロント荷重は最高と成りフロントサスは底付き状態に成る。
反対にリアは荷重が抜け場合によるとタイヤが地面から離れてジャックナイフ状態と成るのでリアサスは伸びきる。
ストレートエンドのフルブレーキング時の サスペンションの沈み方

「コーナー進入からクリップに向けてフロントブレーキを緩めていく時」

クリップに向けてフロントブレーキを緩めて行くことにより、沈みきったフロントサスが少しづつ伸び始め、相対的に荷重が増したリアサスが沈み始める。
コーナー進入からクリップに向けてフロントブレーキを緩めて行くときのサスの沈み方

「クリップポイントのパーシャル域」

クリップポイントはアクセル一定のパーシャル域と仮定すると、加速減速による前後サスペンションへの影響は無いもしくは少なく、コーナリングGの影響が最大の要素となります。基本的にグリップ走行でしっかりとコーナリングGを掛けられるテクニックと適切なタイヤをチョイスしていれば、前後サスペンションは下図の辺りに来るようセッティングすると良いと思います。もちろん速度が遅かったりおかしな加速減速をすれば下図の限りではありません。コーナーが遅くてGが弱いほど前後ともサスはもう少し伸びて車高は高く成ります。
ただし正確にサグ調整が出来ていれば、「前後サス両方とも」が1G‘の赤い線より伸びる事は無いはずです。
もちろんどちらか片方が赤い線より伸びた位置を過ぎる可能性はあります。
クリップ付近アクセルパーシャル時の サスペンションの沈み具合

「コーナー後半加速域のサスの沈み方」

アクセルを開けてコーナーを脱出する加速域はリア荷重が掛かりボトムし、フロントサスは荷重が抜けて伸びて来ます。もちろん加速の強弱によりリアがとこまで沈むか変わるので、毎回下図のようにフルボトムするわけではありません。

でも超正確に言うと、コーナリング脱出時のリアサスは加速で沈みつつも、直線に入ってからはアンチスクワットが効いて来て、前後とも伸びて車高が上がる傾向になります。ただし、セッティング間違いや調子悪いバイクは違う事に成りかねないのでご注意くだされ。

コーナー後半のアクセルを開けて 加速していく時のサスの沈み方

こんな感じで各シチュエーションでのサスの動き方は理解出来ましたか?
大体こんな感じを目標にセッティングを狙えばOKでしょう。

もう一度いいますが「サグ調整=プリロード調整」を完了もしくは理解していないと、すべてのダンパー調整はかなりムダに成りますからしっかり予習復習して下さいね。

すいませんがまた長く成ってしまったので
具体的なダンパー調整方法はその4にてご説明します。

ご質問等ございましたら店長 浪崎(なみざき)までご一報ください。

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