いつもモトフリークブログを
ご覧いただきありがとうございます。

お客様から頂く質問を元にして
空気圧やタイヤのチョイスなど
Q&A的な感じでブログを書いたところ
非常に大きな反響を頂きました。

そこで今回は皆さまの大切な
バイクや車のメンテナンスに欠せない
オイル、グリース、ケミカルについて
いろいろと詳細説明や感想を
述べてみようと思います。

アムズAMSワコーズwakosグリース

グリースについて
組成を大まかに説明しますと、
グリースはベースと成る基油(きゆ)と
それを硬くして半固体状にする為の
増稠剤(ぞうちょうざい)と言う
添加物で出来ています。

ベースオイルは基本的にエンジンオイルと同じく
合成油を使用すると高性能で高価、
鉱物油を使用すると低性能で安価、
という傾向にあります。

基油そのままでは簡単に流失するので、
高温環境や遠心力で飛散しないよう
増稠剤を添加して
歯磨き粉のように半固体状の性情を寄与します。

硬さは柔らかい00番から3番辺りまで
数字が大きいほど硬くなります。
硬さは2番が圧倒的に一般的で
イメージ的には歯磨き粉が
すこし硬くなった位の感じです。

     普  
000012-3~6

普通皆さんが手に入るグリースは
稠度2番に成ると思います。

最初に揃える3種類はコレだ!
シリコーングリス
焼きつき防止グリース
二硫化モリブデンや銅グリースなど
金属系粉末が配合されているもの
出来れば銅系がイイかなぁ、、、
マルチパーパス系
リチュームグリスやウレア系など

基油や増調剤を余りに詳しく書くと
本一冊書いても足りない位の
説明が必要になりますので、
代表的なグリースの使用方法や
特徴を説明したいと思います。

シリコーングリース
まず大切なのは「シリコン」では無く
「シリコン」だと言う事。
「シリコン」はケイ素の事で、
「シリコーン」がシロキサン化合物の総称です。

基油は他のグリースと違い
シリコーンオイルがベースです。

シリコーングリースは金属同士の潤滑性は
あまり良くない傾向にあります。
しかしゴム対金属やプラ対金属など
合成樹脂と金属の潤滑や
ゴム対プラスティックなど
合成樹脂どうしの潤滑に向いています。

推奨使用法
ゴム対金属やプラ対金属が得意な事から
ブレーキキャリパーピストンや
マスターシリンダーの潤滑が一般的です。

注意!
パソコンのCPUなどに使用される
放熱グリスは「シリコン」グリースです。
そのグリースを「シリコーン」と
間違えてブレーキキャリパーに
使用して液漏れを起こした方がいました。
ニ酸化ケイ素の固形粉末が配合されているので
ゴムのシール材が摩耗します。
シリコンとシリコーンの混同は
絶対にNGです!

カルシュウムグリース、
リチュウム系、ウレア系
概要
意外な事に代表的なこの3種は
添加物たる増調剤の名称で
基油の事では無いのです。

基油は鉱物油や合成油、
中間的な半合成基油の物があるのは
エンジンオイルなどと同じです。
基油が名称となるシリコーングリスとは
対照的な命名方法です。

リチュウムグリス
鉱物油もしくは合成油をベースに
リチュウム石鹸基増調剤を主として
硬さをだしている。
ただし基油が合成油か鉱物油かで
性能に雲泥の差が出るので要注意です。

推奨使用法
最も一般的なグリースで
ネジの固着防止やシャフト類など
広範囲に使用出来ます。
最初に揃えるグリースと言えます。

ウレアグリス
鉱物油もしくは合成油をベースに
ウレア(尿素)基増調剤を主として
硬さをだしている。

基本的に高温や水分にも強く
比較的高性能高価な物が多い。

ただし基油が合成油か鉱物油かで
性能に雲泥の差が出るので要注意です。

推奨使用法
リチュウム同様に一般的なグリースで
ネジの固着防止やシャフト類など
広範囲に使用出来ます。
特にベアリング等におすすめ出来ます。

リチュウムグリスに変わって
最初に揃えても良いグリースです。

カルシュウム・ナトリュウム系
鉱物油もしくは合成油をベースに
カルシュウムやナトリュウム系
石鹸基増調剤を主として
硬さをだしている。

バイク販売店等ではそんなに売ってませんが
車業界など大量消費する工場では
一般的なグリースです。

性能が悪い訳ではありませんが、
バイク用としてはリチューム系や
ウレア系が手に入り安く使いやすいので、
特に率先して買う必要も無いと思います。

二硫化モリブデン系
銅グリース系
酸化カルシュウム系
二硫化モリブデンを筆頭とする
焼きつき防止グリースは
増調剤では無く極圧性能や
焼きつき防止の為にリチュウム系や
ウレア系グリースなどに添加された
固形粉末が名称に成っています。

エキパイやマフラーなど
常に高温にさらされる部分の
ボルトナット類の焼き付き防止に使用します。

銅系グリースは電気伝導性熱伝導性が共に良く
酸化カルシュウム系はBMWが使用しており
強アルカリ性です。

二硫化モリブデン系は安価かつメジャーですが
使用に伴う品質劣化で二硫化モリブデンが
酸化モリブデンに変化すると研磨剤となり
問題が出る事があり要注意です。
高性能なグリースが多数存在する現在
特にベアリングに使用するのは疑問を感じます
またゴムやプラなど柔らかい物に
使用してはいけません。
ブレーキのピストンなど絶対厳禁です!

まとめ
グリースの世界は非常に奥が深く
とてもここで書き切る事は出来ませんが、
サンデーメカニックには問題ない程度に
書けたかな?と思います。
メンテナンスの良書はいろいろありますが、
さらに深く知りたい方は、
SNKやNTNなどベアリングメーカー
のHPに有るデータや
グリースメーカーのデータ等を参照し
基礎を勉強される事をおすすめします。

モトフリークでもアムズオイル
ワコーズなど一流メーカーの
グリース類を販売しております。
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